記念品贈呈 -- 舞台は笑顔・裏は泣き --




花束贈呈ってどうなんだろう???
なんとなく、最初から花束贈呈には違和感がありました。
もちろんお礼を親にすることは、とっても良いことだと思うけど、別に皆の前ですることもないしなぁ。それに、本当に私が親に心から気持ちを込めてお礼をするのなら、花束は選ばないかなぁ。
花束って、どちらかというと、もっと普段ぽいっていうか、とっても日常的なもので(もちろん小さい花束だけど)、なんとなく私の中では特別な意味があまりもてない・・・それにうちのママさんの好みは、大きな華やかなお花というより、小さくてもがんばって咲いているお花が好きなので、なんか花束贈呈はしっくりこない。
それに、花束贈呈て、ちょっと照れくさいし・・・・・

と、色々考えたけれど、もしかしたら親のほうが期待しているかもしれない ! 当日準主役の親にまったくスポットライトが当たらないのは悪いし、自慢の親を紹介したい。それに演出として、色々オリジナリティは出したつもりだけど、“The定番”の演出もしたほうが、ゲストの方も一息つけるというか、お決まりの時間にお決まりのことをするのは、逆に安心感みたいなのが持てるかもしれない。
というわけで、花束ではなく記念品贈呈をすることに決めました。

さぁ、なにを渡そうか??気持ちがこもったもの、普段渡せない特別なもの・・・・・私たちに一体何ができるかな????
私の母の好みは知っているので色々思いつくけれど、彼のご両親の分はまったく見当がつかない。

彼のご両親に会っていつも感じることは、本当に息子を愛しているだなぁってこと。そして、彼の家に行って一番に目につくのが、リビングに飾っている彼が小さい頃書いた油絵。立派な額に納められていて、これは宝物なんだろうなぁ、きっと20年近くずっとここに置いていて、これから先もずっと置くだろうなって思って見てました。

どうだろう、親に彼の書いた絵をあげるっているのは・・・・きっときっと喜んでくれると思うし、今までの感謝の気持ちが表せると思うんだけど・・・私の親もちょうど玄関に飾る絵を探していたことだし、ここで彼に2枚分の才能を見せてもらいましょうか。

さっそく、彼に提案すると、いまいち浮かない顔。 本音、手間がかかるのは否めない。でも、私の思いは分ったみたい。浮かない顔はかわらなかったけど、絵を書くことでOKしてくれました。

ところが、ところが、いつまでたっても準備する気配がない。心配になった私が、尋ねると、「こういうのは集中力だ! 気がのらないと書けない」って。確かにそうだけど、絵の道具すら準備してないんだもん。気がのって「書きたい」っと思った時に、書き始めることができないじゃん!!
も〜不安も不安。

やっぱり不安的中。ある日、また尋ねると、「2枚は無理だから1枚にしてくれ」って何それ!!書けないのは仕様が無い。だけど、早く言ってよ〜。私が言わなかったらどうするつもりだったのよ〜。

絵を書く以外で、心がこもったもの・・・・・
私ができることと言ったら、ハワイアンキルト。
だけど、私の母も一緒に習っていることだし、そんな母にキルトをあげるのはちょっとつまらない。どうしよう・・・・

そこで、決まったのが、彼の絵を私の家へ、私のキルトを彼の家へ。なんか最初の意図とは違ってきちゃったけど・・・・幸いなのは、彼のお母さんも、キルトに興味があって、自己流でキルトの経験があったこと。それなら、ハワイアンキルトでも、その良さが分ってくれるかな?

ハワイアンキルトって、1日・2日で出来るものではないし、決めたのは良いけれど、かなり焦る私。ここは気合を入れて作らなければ、間に合わない。何を作ろうかキルトの先生と相談して、好みで左右されない、あっても邪魔にならないクッションにしました。本当なら1つでも大変なとこだけど、ご両親2人で暮らしている家に1個じゃ意味が無い。なので、ここは腹をくくってお父さん・お母さんように2個作ることに決めました。

こんなに集中したことはないってぐらい、一目一目丁寧に丁寧に、本当に心をこめて作りました。作りながらも、本当は「彼の絵のほうが良い」なんて言われないかと不安に思いながら、だけど私と結婚することを許してくれたお礼と、これからお世話になるよろしくの意味をこめて、約1ヶ月半かけて仕上げました。

彼といったら、なんてことない、式の3週間前ぐらいに慌てて用意を始めて、3日ぐらいで書き終わってました。それでも、書くときは私も外に出させて一人で集中していましたけど・・・
出来上がりは、ちょっと感動・・・・・まさか3日で書いたとは思えない、繊細な絵です。
絶対、絶対お母さん喜ぶだろうなぁ。




当日は、恥ずかしそうにスポットライトを浴びていた親。ずっと恥ずかしがってうつむきががちだったけど、花束贈呈のところを手作りハワイアンキルトクッションと彼の書いた絵で驚いた表情でした。

記念品贈呈で、もっと感動的なシーンになるのかと思ったけれど、全然しんみりなんかしなくて、 私もお母さんに「これ彼が書いたんだよ。見てみて!!」なんて感じで渡しちゃったから、皆が笑顔。でも、これが私の理想の贈呈のシーンだったかも。照れることもないし、ましてや涙なんてないし。今までだって、これからだって、私たちはいつまでもお母さんの子供だし、いままでどおり、何にも変わりはないのだから。




母の家の玄関には、彼の書いた絵が置かれています。母の家に行くたびに、彼のこの才能をどうにか開花させてあげたいって思います。母も笑顔でそう言ってくれます。

彼の家にいったときは、服や他のものに埋もれているクッションを、むりやり掘り起こし、見える位置に置きかえて帰って来る私。 
いまだに、彼の絵をあげたかったなって思うこともあるけど、次にあげるプレゼントが1つ決まったと思って、彼が本当に書きたいなって思う日を待とうと思ってます。

はぁ それにしても、気を使う大変な準備だった〜・・・(これ本音)