お色直しドレス -- 偉大なる母 --
ある日、突然母からの電話が。
「やっぱりお色直しやりましょ。」
それは、そろそろ招待状の返答がポツポツを戻ってくる頃でした。
私はパークに場所を決めた時から、お色直しのことは全く考えていませんでした。
どうしてもウエディングドレスは妥協をしたくなくて、かなりの気合のいれようで、お色直しのドレスまでぜんぜん頭がまわらない・・・・
−ドレス決め−の掲載にも書いたけれど、ウエディングドレスすらなかなか思い浮かばなかったので、お色直しのイメージなんて、まったく想像がつかないし。
なんて、本音言うとお金のことも少し…・ウエディングドレスにお金を注いでしまったため、カラードレスを選ぶほど、余裕もない。なので、最初からきっぱりお色直しはしないと割り切って、一日ずっと着ていて幸せを感じるウエディングドレスを探そうと、さらにウエディングドレスへの思いが増していました。
だけど、披露宴の間に一回ぐらいトイレ休憩で席を立たないとちょっと辛いだろうから、ブーケチェンジぐらいしようかな?ってブーケのことをかなり気にしていました。
そんな気持ちの中、突然の電話。全然、思いもよらぬ言葉だったので、返す言葉が見つかりません。「今ごろ言い出してごめんね。もっと早く言ってあげれば良かったね」って、続く母の言葉。
言葉より先に、涙が出てきました。だって、ぜんぜん母は悪いことなんてしていない。むしろ私がずっと「お色直しはしないからねっ」て言い切ってしまっていたから母も言い出しにくかったんだろうし、母には最初に両家で決めた親からの援助金の額よりすでに多く出してもらっているし、これ以上甘えられない・・・だけど、うれしい・・・・
私の頑固は母親譲り。母の頑固は私以上。こうやってわざわざ改めて電話をしてきたくらいだから、これは断った方が、逆に母に失礼だってことは、母の性格上、明らか。
素直に、「ありがとう。ごめんね」
大人になってから、こんなに素直に会話することなんてあったかなってぐらい、心から言えた一言でした。
もう式まで3ヶ月きっていたので、あわててHATSUKO ENDOへ電話。平日会社を休んで試着に出かけたのでした。
ドレスはまったく想像してはいなかったものの、実は一枚だけHATSUKO ENDOのカラードレスで気になっていたのがあったのです。それはMARIAGEのドレス。この白があったら、ウエディングドレスとして着れないかな?って思っていたのです。結局白はなくて、断念したのですが、カラードレスで気になっているものといったら、それだけでした。でもそれはお値段がお高め・・・私から、これが着たいなんて、やっぱり悪くて言い出せない・・・・
カラードレスの決定権はすべて母に委ねました。だって、母だってせっかくの気持ちでお色直しの提案したのに、わたしが母の意見にそぐわないすっごいセンス悪いのに決めてしまったとしたら、
母だって「?????」って思うに違いない。母が満足するために、母が気に入ったものを着ようって決めていました。
パンフレットを見ながら、試着候補のドレスを決めていく中、あの気になるドレスのページへ。やっぱりこのドレス、私に似合うと思うんだけどなぁ〜。でも高いな〜なんて思ってみてみたら、「これ、あなたに絶対似合うよ!」と母。でも、すぐお値段みて、「試着はただよ」って。
そう、そう、気になっていることだし、試着さえすれば、気持ちも満足するでしょう。
試着開始。最初は腰に大きなブルーのリボンがかわいらしいドレス、う〜ん。私らしくない。駄目。
2枚目、なんだったけ?忘れるぐらい印象薄し。3枚目、いよいよあのMARIAGE。
もう質感がぜんぜん違う。オーガンジーが素晴らしい。色もミントブルーで、とってもきれい。このVneckのVの深さが絶妙で何ともいえない。スカートのスソはMARIAGEの特徴の波型(?)。ドレープはまるでさざ波のようで、私が歩くたびに、そのドレープもまさしく波のようについてくる感じ。どうしてこのめちゃくちゃ柔らかい生地でこの波のような綺麗なドレープを保持できるのかしら?洋裁のことは全くわからないので、不思議。そして、腰についたコサージュが豪華さと華やかさとかわいらしさを表現してる。全体的にとっても優し〜い柔らか〜い感じ。・・・思っていたとおりだぁ。
試着していざ、母へお披露目。
出ました!母のお得意。目はまん丸&おちょぼ口。
この表情が出た時には、その後の行動がだいたい読めます。もう、これは「これで決定!」の証です。この前に着ていた2枚はなんだったんだろうと思うぐらい、母の表情が一気に明るく、さっきも笑っていたけれど、今度はもっともっと、笑顔。この顔を見れただけでも、なんか親孝行した感じ。それぐらい、母は嬉しさを表現してくれました。
「もう、これを見ちゃ、他のものは着られないわね。ウエディングドレスが重厚感がある豪華なイメージだから、これぐらい印象が変るとお色直しのやりがいあるわね」
このあと、後ろを向けだの、歩いてみろだの、ブーケを持ってみろだろ、色んなポーズをさせられ、とにかく大はしゃぎの母(もちろん私も)でした。
当日は、普段はめったに泣かない母が、挙式の時泣いたのか、挙式後つけ慣れないマスカラで目の下を黒くさせていたのをみて、私まで胸が熱くなったのを今でも覚えています。
お色直しで退場する時、母にはサプライズで、一緒に退場をお願いしました。
いつも笑顔で心が広く、小さいことにはこだわらず、世界がものすごく壮大。すぐ悩む私が一言母に相談すれば、二言目にはもう解決させている、本当にすごい力の持ち主なんです。
私も母のような人間になりたい。
結婚をすることで、母に対して素直になれたこと、素直な言葉を言えたこと、母への感謝の気持ち、なんだか思いもつかなかった色々な素敵な気持ちを体験できて、本当に結婚てすばらしいです。
これからも一緒にいっぱい旅行しようね。いっぱい美味しいもの食べに行こうね。
絶対長生きしてね。
ありがとう。
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